映像制作の世界から日本語教師へ

映像制作の世界から日本語教師へ

前職はテレビの制作会社にお勤めだったそうですね?

はい。もともと映画やテレビが好きで、大学の時に自主制作で映画を撮ったり、テレビ局のアルバイトをしていました。この世界で試してみたいと思って東京の制作会社に就職しました。最初は報道番組、後半はドラマのスタッフを担当して3年半働きました。

日本語教師の仕事を意識し始めたのはいつですか?

かなり昔に遡るのですが(笑)、小学校の英語の授業でALTのネイティブスピーカーが来ていて、自分の国の文化を異国で教えているのがうらやましかったんです。私は親が日本舞踊の名取で、自分も小さい頃からやっていたので伝統芸能がいつも身近にありました。私も海外で日本の言葉や文化を教えたいなあと思っていました。それで大学では日本語教育の副専攻を選んだんです。

転職を考え始めたきっかけは?

テレビの現場は意外と外国人が多いんです。同僚に日本語を教える機会もあったし、日本で仕事をしたい外国人がこんなにいるんだというのも東京に来て初めて知りました。取材で生き生きと仕事している人に会うと刺激を受けていたし、あまりにも忙しいテレビの仕事に疲れていたのもあったので(笑)、自分もやりたいことに挑戦してみようと思いました。

相手の反応をダイレクトに感じられる喜び

相手の反応をダイレクトに感じられる喜び

東京ワールドを選んだ理由は?転職の不安はありましたか?

合同説明会に参加しましたが、東京ワールドの先生の説明が一番わかりやすかったんです。学校によっては仕事の厳しさを切々と訴えるところなんかもあって(笑)。東京ワールドの先生は口調がさっぱりしていて前向きで安心しました。私は東京で一人暮らしだったので生活面の不安が大きかったですね。非常勤講師を始めて半年後に専任のお話をいただきましたが、それまでは会社の事務とダブルワークで働いていました。

転職して1年半。教師の仕事を今はどう感じていますか?

あっという間でしたね!授業はいつも生ものだと思います。学生もその日その日の様子やテンションが違うので同じクラスでも日によって全然空気が違います。テレビの仕事は世間に対するとても大きな影響力を持っていてその一員として働くことに喜びがありましたが、今は自分の授業で目の前の学生からダイレクトに反応が返ってくることが新鮮で楽しいです。どうやって伝えられるか工夫のしがいがありますね。

前職の強みを生かした新しい授業を模索

前職の強みを生かした新しい授業を模索

山本先生が担当する特別な授業があると聞きましたが。

「前職の経験を生かして映像を使った授業をやってみませんか」と声をかけていただきました。教科書の固定的な情報ではなくて、映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの映像作品を見ながら授業をしています。生の会話を聞いてディクテーションを訓練したり、アニメーションを見て映像の美しさやテーマの深さなどを考えてもらっています。この授業をきっかけに幅広い日本の文化に関心を持ってもらいたいと工夫しています。まさに幼い頃に憧れた仕事ですね。

転職を考えている方へのメッセージはありますか?

私は学生に助けられた部分がたくさんあります。私が教えること以上に教えられることが多かったです。留学生の生活なんて想像もできなかったし、この仕事を始めて外国人に対する視野も共感も広がりました。あまり良く言うと前の職場の人たちに怒られますが(笑)今は毎日充実して仕事をしています。